今度こそ「日本の秘境」
結局、前回は私の田舎自慢で終わってしまい、
本題の
にはたどり着けなかったんですよね。
いっつもこんな記事ばっかりですみません。
で、この本、昭和三十年代の日本の秘境をルポした紀行文集なんですが、
令和の今になって読み返すと。
「え、ここが秘境だったの?」という場所がいっぱい出てきて、大変に興味深い。
初っ端から引き込まれます。
なんと、苗場です。そして、かぐら・みつまた・田代が取り上げられています。
「廃道に近い国道17号」って記述もあるんですが、
出版から二十年後の昭和50年代末になってスキーブームが巻き起こり、
金曜、土曜の夜、品川ナンバーの四駆が国道17号に列をなし、
苗場にプリンスホテルができ、
ホテル内のディスコでは、毎週末ボディコンのお姉さんがフィーバー
(これ知っている人は相当年配ですね)する、
なんて、著者が記事を書いたころには思いもしなかったことでしょう。
他にも林道好きなライダー諸氏なら一度は耳にしたことがある(と思われる)
スーパー御荷鉾林道の起点、鬼石や神流川流域が秘境とされていたり、
青森の有名な温泉地酸ヶ湯温泉が秘境として取り上げられていたりと、
ちょっとしたタイムスリップ気分が味わえます(おまけですが、若き頃の
三浦雄一郎さんもちょっと登場します)。
携帯ラジオの天気予報を聴きながら…」などと、
いまでは涙物の記述もあります。
古き良き(?良かったかはわかりません)時代の日本を知る意味でも、
一読されて損はないと思います。
STAY HOMEのこの時期、旅心を掻き立てるには
絶好の一冊かと思います。
ちなみに、グーグルマップやストリートビューを本書と併用すると、
現状と比較でき、60年間の日本の変化が実感されて一層面白いです。
ああ、今回はきれいにまとまった(気がする)…