ヘルメットのアレ
変な想像をなさらないように。
と言ってもまあ、変な想像をするのは
この方くらいでしょうが…
さて、新型コロナ対策のシールドでもなく、どなたかが想像したように
ゴムとかラテラックス製の0.03ミリとかのシールドでもなく、
オートバイで走るときに必要なヘルメットのシールドのお話です。
私が読者登録をしており、前回の(彼の)ツーリング(私はただの散歩)の際、
すれ違った小売りさんのお話。
この、埼玉から千葉県西印旛沼へのツーリングで小売りさんがコケた、
という話を読んだ時に書こうかとは思ってはいたのですが、
根が無精者ゆえ、ここまでひっぱってしまいました。
昔(四、五十年前)のフルフェイスには今のように複雑な開閉システムや
空調システムはございませんでした。
冬の寒い日には吐く息でシールドは曇るし、夏は熱気がこもり放題。
ジェットタイプはいくつかのスナップでシールドを固定するような
単純なものでした。
私は限定解除試験のために白いジェットタイプのヘルメットを買ったのですが
(限定解除試験には白のジェットヘルガが利有利らしいという訳の分からない噂が
流れておりました)、 普段はフルヘルがメイン。
夏は暑い。で、どうするかというとシールドを外します。
開けるより風の入りはよい。
ジーンズショップでのアルバイトを終えたとある夏の夜、
海軍道路を普通の速度(この道路、数キロにわたる直線道路なのに、
制限速度は30㌔。よく制服の方々がお店を開いては青い紙や赤い紙の
現金振り込みによる販売大会を開いていたものでした)で走っていた時のことです。
GXのシールドビームの光の輪に白いものが浮かび、こちらに向かってきます。
蛾でした。
とっさに頭を左に振ってやり過ごした...はずでした。
ちょっと成功かなりの失敗。
顔面直撃は避けましたが(成功)蛾はシールドを外したヘルメットの
右の隙間とこめかみの間にスポッ‼(大失敗)
頭を振っても出ていくはずがありません。
右耳の側でもがいている音が聞こえます。
私、大抵の虫は大丈夫なんですが、蛾だけはだめなんです。
GXを道端に停めて、蛾をつぶさないように慎重にヘルメットを外し、
ヘルメットとこめかみについた鱗粉を払って家路をたどりました。
ああ気持ち悪かった。四十年経つ今も、あの蛾が耳元でもがく音を
時々思い出して鳥肌を立てる変な人の世迷言でした。